2011年5月27日金曜日

放射性物質の拡散

 半減期30年の放射性セシウムがほぼ消滅と言える状態になるまで何年かかるのか、計算が苦手なのでわからないが、少なくとも100年やそこらは頑固に残存するわけだ。

 今後の問題は農産物によって運ばれる放射性物質である。
 いま愛知県でも日本福祉大学の学生ボランティアが福島県産野菜を売っているが、おそらくこの野菜の安全というのは「放射性物質ゼロ」という意味ではなくて、「暫定基準値以下だから安全」ということであるだろう。これを買った消費者は、野菜から微量の放射性物質を摂取して、糞尿から放射性物質を排出し、水洗便所でジャーと流す。そうして下水処理場の汚泥から放射性物質が検出されることになる。
 あるいは、食事に使われなかった野菜クズや売れ残った野菜は、燃えるゴミとなって燃やされるか、生ゴミとしてそれ用のプラントに運ばれて、煙突から放出したり、埋められたりする。
 放射性物質の二次拡散とも言うべきプロセスが始まっている。これは雨風の気象による拡散ではなく、人間が運ぶ拡散だ。
福島産野菜を買うか買わないかは消費者それぞれの自由だと思っているかもしれないが、本当はそういう個人的な問題では片付かないのだ。
 
追記
 いま環境省は京都市に対して、震災瓦礫の処分受け入れを押し付けているようだ。受け入れを表明した京都市には抗議が殺到しているらしい。市民の抗議は正しい。
 福島第一が蒸気を吹き出しているあいだ、東北地方太平洋岸と関東一帯は「復興」させるべきではない。当面の選択肢は移住しかない。
 中部・西日本の土壌を放射性物質から防護し、農民の移住受け入れと耕地の再開拓をするべきだ。関東の汚染野菜を流通させた生協各社は潰れたほうがいい。