2011年6月14日火曜日

「国民」全員が苦しむわけではない

 昨日は高田馬場で砂場ミーティング、今日は八王子で計測器のワークショップをやった。
JR八王子駅北側の公園に行き、参加者に計測器を使ってもらった。
滑り台の周りの砂場は水はけが悪く、大きな水たまりになっていて、ここでは0.2μsv/hだった。
 23区に比較すれば低い印象だが、もっと低いと予想していた八王子の参加者にとっては、深刻な数字だった。

 ワークショップのあと喫茶店で話していて驚いたのは、八王子在住の人でも、ずっとのどが痛いとか、鼻血が頻繁に出ている、という人がいる。そのなかの一人は、実家のある田舎に移住をしようかと考えているというので、早く移住した方がいいと勧めた。
 
 被曝問題が憂鬱な気分になるのは、個体差が大きいことだ。
これが食中毒やインフルエンザであれば、(比較的)無差別に襲ってくる。
しかし、低線量被曝は無差別ではなく、被害に遭う者だけが苦しむのだ。
 これは戦争に似ている。
 戦争もまた被害に遭う者だけが苦しみ、生き残った者はそのことに目もくれず忘れてしまう。忘れたふりをする。嘘をつくという意識もなく嘘をつき、隠そうという意識もなく隠蔽するのだ。

 「国民」というものほど酷薄なものはない。こんなものと心中するわけにはいかない。