2011年10月7日金曜日

文科省の航空機モニタリング測定結果をどう考えるか

10月6日、文部科学省は東京都・神奈川県の航空機モニタリング測定結果を発表した。

「文部科学省による東京都及び神奈川県の航空機モニタリングの測定結果について」

山間部を除く大半が、「10000Bq/㎡以下」となっている。
他方で、文京区では次のようなニュース。

小学校の堆肥が基準値超え 東京・文京区

 東京都文京区は6日、区立根津小学校の落ち葉でつくった堆肥から、国の暫定基準値(1キログラム当たり400ベクレル)を超える1488ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
 文京区はすべての区立小中学校と幼稚園に対し、堆肥を肥料として使用せず、児童らが直接触れることがないよう注意喚起した。
 文京区によると、9月下旬に根津小の堆積場から採取した堆肥を測定。校内の花壇で使用するためにつくったもので、流通はしていない。

2011.10.6 16:24 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111006/trd11100616250013-n1.htm

1488Bq/kg を平米あたりに換算すると、

1488 × 65 = 96720Bq/㎡

文京区では落ち葉の堆積する地表で、96720Bq/㎡ になっている。
航空機モニタリングの結果と比較すると、その差は約10倍にもなる。
これをどう考えるか。
1、航空機モニタリングが嘘
2、文京区の調査が嘘
3、航空機からの測定結果は数字を平均化しているので、実際の地表には10倍程度のホットスポットがあちこちにある。

 以前から多く人が指摘していることだが、放射性物質の拡散・堆積は、地表面に非線形の複雑なモザイクを形成している。事態を正確に再現するためには、航空機ではなく地面を歩いて、丹念に調べなくてはならない。
 航空機は無視してよい。調べる人はどんどん調べ、退避できる人はどんどん退避したほうがいい。

追記
 平米換算の式は、地表5センチの土の体積から求める。
100㎝×100㎝×5㎝=50000立方センチメートル = 50ℓ
50ℓの土の重量は、比重が1.3と仮定して、50×1.3=65kgになる。
実際には、葉っぱの比重はもっと小さいし、葉っぱだけで5㎝の厚みをもつことは(すくなくとも東京では)ありえないので、96720Bq/㎡という予想はちょっと大きすぎる。ただしここで問題にすべきなのは外部被曝ではなく内部被曝なので、論旨としては同じことだ。広大な領域を平均化した数字など、なんの意味もない。