2011年6月28日火曜日

千葉県市川市、原木・二俣・田尻・高谷

昨日は市川市役所で公園リストを入手。
エクセルに入力する作業で終わった。
今日は寝坊して10時起床。原付で市川へ。

あざみ公園    高谷2−7   0.15
信篤公園     高谷2−8   砂場なし
あらかし公園   田尻1−7   砂場なし
田尻3丁目公園  田尻3−1   砂場なし
アヤメ公園    田尻3−11   0.18
田尻ゆうあい公園 田尻3−5   0.18
はなみずき公園  田尻3−5   砂場なし
田尻第1公園   田尻3−6   0.21
あさがお公園   田尻3−9   砂場なし
田尻第3公園   田尻4−5   0.29
ひいらぎ公園   田尻4−9   0.29
田尻第2公園   田尻5−14   0.35
はまゆう公園   原木1−2   0.2
原木第2公園   原木1−3   砂場なし
原木第3公園   原木1−4   0.23
原木東浜公園   原木2526−18 砂場なし
さくら公園    原木3−1   0.17
すみれ公園    原木3−16   0.27
原木西浜公園   原木3047   砂場なし
みとめ公園    原木4−3   砂場なし
原木橋公園    原木4−7   0.17
りんどう公園   二俣1−8   0.23
ぼたん公園    二俣1−9   0.23
二俣の風公園   二俣2−11   砂場なし
二俣第2公園   二俣2−4   0.21
二俣公園     二俣717−71  0.18

単位はマイクロシーベルト毎時。計測器はRADEX RD1706。

東西線・原木中山駅の周辺は、市川市と船橋市が入り組んでいる。というわけであまり充分とは言えないが参考までに。
明日はとなり駅の妙典に行く。

嘘ではないが看過している

 『週刊プレイボーイ』誌が、市民の放射線計測について取材したいというので、神保町に行った。
 記者の最後の質問は、東京都の発表した数値の信憑性だ。
 0.06μsv/hというのは本当なのかということだ。

 東京都の発表はおそらく事実である。彼らは嘘をついてはいない。
0.06μsv/hという場所は(私は知らないが)、たぶん、あるのだろう。放射性物質の分布がモザイク状になってしまっているときに、この発表は朗報でもなんでもない。たんに「東京都内に0.06のポイントがありました」と言っているに過ぎない。そして、あるポイントが0.06だったからといって、0.15の砂場が無害化されるわけではない。
 東京都は嘘を言っていない。ただ、0.06を超えるポイントを看過しているだけだ。

 東京都に対する批判はひとまずおく。

 問題は市民の側の主体的状況だ。
 現在、福島県中通りでは、外部被曝線量だけで放射線管理区域を超える事態になっているが、いまだに避難せずにとどまっている者がいる。せめてこどもだけでも退避させなければならないのに、まだこどもを学校に通わせている親がいる。出口のみえない政治にだらだらとこどもを付き合わせて、いったいどうするつもりなのか。政治は政治で大事だが、時間がかかるのはみえてるんだから、こどもを退避させてから大人だけでやれよ。
 こういうことを言うと、「避難したくてもできない人間もいるんだ」という人がいる。
 おそらくそれは事実だ。嘘ではない。そういう人間がいるだろうことはもちろん私は否定しない。
 しかしこんなおおざっぱな紋切り型で、ああそうですねと納得することはできない。
 福島市や郡山市のいったいどれだけの人口が、本当に「避難したくてもできない」のか。
 本当に一刻も早く避難したくてしたくて頭がおかしくなりそうなぐらいなのにどうしても「避難できない」人間は、実際のところ何人いるのか。
 私はそこを問いたい。本当に問うよ。
 看過しないよ。
 「避難したくてもできない」と言う者のなかに、どれだけ嘘つきがまぎれこんでいるか、調べるよ。嘘がばれたときに、他人のせいにするなよ。



 

2011年6月27日月曜日

中野区上鷺宮、白鷺、他

野方在住の福田くんから報告。

わかたけ公園   鷺宮1-5      0.13
鷺六公園     鷺宮6−24     0.14
八成公園     上鷺宮5-19     0.14
上鷺公園     上鷺宮4-8     0.15
武蔵台公園    上鷺宮5-26     0.14
北中野公園    上鷺宮5-8     0.13
上鷺東公園    上鷺宮2-18     0.14
丸山公園     丸山2-23      0.15
野方第一公園   野方4-36      0.17
若宮防災広場   若宮3-42      0.17
みつわ公園    若宮1-42      0.14
かせい公園    若宮3-5      0.14
若宮オリーブ公園 若宮3-5      0.16
鷺南公園     若宮2-48     0.17
大和花公園    大和町1丁目54番  0.13
大和北公園    大和町2丁目45番  0.14
大和公園     大和町2丁目8番  0.16
大和鹿鳴公園   大和町3丁目27番  砂場なし
西大和児童公園  大和町3丁目42番  0.17
西大和公園    大和町4丁目50番  砂場なし
みはと公園    大和町4丁目51番  砂場なし
白鷺ネムノキ公園 白鷺1丁目7番   砂場なし
白鷺ふれあい   白鷺2丁目10番   砂場なし
そろの木公園   白鷺2丁目38番   0.14
白鷺公園     白鷺2丁目8番   砂場なし
鷺宮運動広場   白鷺3丁目1番   0.11

単位はμsv/h。
福田・佐久良・矢部で、中野区の公園は7割ほど調べた。
今日は千葉県市川市に向かう。

2011年6月25日土曜日

被曝者になるということ

福島県民を30年にわたり健康調査 内部被曝も含め測定

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による福島県民への放射線の影響について30年以上にわたって見守る福島県の調査案の概要が、わかった。7月上旬にも空間線量が高い地区の住民代表を対象に、先行的な予備調査を始め、内部被曝(ひばく)も含めた被曝線量を実際に測るとともに、問診票での被曝線量の推計も出す。

 住民の放射線影響評価をめぐり、長期間に及ぶ大規模調査は世界でも初めて。

 予備調査の概要は、今月18日に、実施主体の県や関係省庁の担当者のほか、放射線医療の専門家らが集まる健康管理調査検討委員会で決まる見通し。
(6月17日 asahi.com)

 30年間という時間は、一人の人間にとってはあまりにも長い時間だ。
 福島県民は、出身地を隠して移住しなくてはならない。さもなければ、風邪をひいただけで骨髄液を抜かれることになる。ありふれた子宮筋腫に対して、子宮の全摘出手術がなされるだろう。
 政府医療機関には人権意識などない。政府に「被曝者」として登録されるということは、「何を試してもよい人間」になるということだ。想像するだけで恐ろしい。

中野区弥生町、南台、都市の迷宮

午前中、中野区の南端をまわった。
東京をぐるりと半周する環状7号線は、「木賃アパート密集地帯」とも「スプロール(虫食い)地帯」とも呼ばれる、密度の高い住宅地域が続く。この一帯は道路が狭く坂道も多いので、原付でなければまわれない。行き止まりがあったり、階段があったり、いきなり児童館があらわれたりして、楽しい。
都市の迷宮だ。


みなみの広場   南台2丁目33番   砂場なし
前原公園     南台2丁目48番   0.13
多田公園     南台3丁目26番   砂場なし
南台三丁目公園  南台3丁目41番   砂場なし
ささの葉公園   南台4丁目14番   0.18
八島公園     南台4丁目41番   砂場なし
みなみ公園    南台5丁目15番   0.12
南部公園     南台5丁目27番   砂場なし
南台公園     南台5丁目7番    0.16
くすの木公園   弥生町1丁目33番  0.17
弥生こぶし公園  弥生町1丁目40番  砂場なし
弥生町二丁目公園 弥生町2丁目19番  0.17
花見公園     弥生町2丁目7番   0.17
ぱんだ公園    弥生町3丁目34番  0.15
栄町公園     弥生町4丁目20番  0.13
弥生公園     弥生町5丁目4番   0.15
れんげ公園    弥生町5丁目8番   0.15
丸太公園     弥生町6丁目2番   0.16

2011年6月24日金曜日

中野区本町、中央、東中野。

今日は、東京都中野区、中野坂上駅周辺をまわった。
佐久良くんは自転車、私は原付。
自転車を貸してくれたマサエちゃん、原付を貸してくれた鹿島さん、ありがとうございました。

ゆりの木公園   中央1丁目20番  砂場なし
小淀公園     中央1丁目24番  砂場なし
かえで公園    中央2丁目35番  砂場なし
宮前公園     中央2丁目39番  砂場なし
本町通り公園   中央2丁目46番  0.11
ひまわり公園   中央2丁目52番  砂場なし
みずき公園    中央2丁目54番  0.13
塔の山公園    中央2丁目7番   0.17
仲町公園     中央3丁目17番  砂場なし
上町公園     中央4丁目36番  砂場なし
いちょう公園   中央4丁目50番  0.13
桃園川公園    中央4丁目60番  砂場なし
追分公園     中央4丁目7番   0.19
中央西公園    中央5丁目27番  0.13
橋場公園     中央5丁目41番  0.17
中央公園     中央5丁目42番  0.11
なつめ公園    中央5丁目6番   0.16
氷川公園     東中野1丁目11番 0.13
川添公園     東中野1丁目22番 0.15
高根公園     東中野2丁目34番 砂場なし
上の原公園    東中野2丁目6番  0.15
みどり公園    東中野3丁目11番 0.15
桜山公園     東中野3丁目22番 0.13
すみよし公園   東中野4丁目25番 0.14
けやき公園    東中野5丁目13番 0.19
おたき公園    東中野5丁目23番 0.15
なかの坂公園   本町1丁目15番  砂場なし
神田川はなひろば 本町1丁目2番  砂場なし
若の芽公園    本町1丁目5番   砂場なし
東郷公園     本町2丁目14番  砂場なし
朝日が丘公園   本町2丁目32番  砂場なし
青桐公園     本町3丁目29番  砂場なし
西町花の公園   本町4丁目37番  砂場なし
本四公園     本町4丁目6番   砂場なし
千代田公園    本町5丁目31番  0.12
杉山公園     本町6丁目15番  0.18
本六公園     本町6丁目30番  0.12
西町公園     本町6丁目39番  砂場なし


追記
 今日は猛暑の中での屋外活動。水分の補給と休憩に気をつかった。
しかし熱中症よりなにより気が散ったのは、福井県の「もんじゅ」。
そして余震が続く福島第一の4号機。
ケータイでネットをチェックしながら公園をまわる。
 いま私たちが経験しているのは、原子力時代の新しい気象学、そしてなにもかもが手探りで取り組まれていく新しい公衆衛生学だ。
 もうね。どんだけ最先端だよと。こわすぎんだよ。

2011年6月23日木曜日

守谷市の計測(1次)完了

6月22日。
砂場プロジェクトの佐久良くんと一日かけて守谷市を走った。
あんまり暑いので、途中でマスクをはずしてしまった。

15日・16日・22日の三日間で、守谷市の公園計測(1次)はひとまず完了した。

かげろう公園   けやき台2-16   0.37
17号緑地     けやき台2-32  0.43
うららか公園   けやき台3-17   0.59
けやき台公園   けやき台4-4   0.37
にじの公園    けやき台5-20   0.51
くりのき公園   みずき野1-5-1  0.57
くわのみ公園   みずき野3-12-23 砂場なし
さくらの杜公園  みずき野4-14   砂場なし
みずき野中央公園 みずき野5-1   砂場なし
ざくろ公園    みずき野5-17-13 砂場なし
かきのき公園   みずき野5-7-7  砂場なし
さくらんぼ公園  みずき野6-14-13  0.48
郷州文化財公園  みずき野7-16-1  砂場なし
どんぐり公園   みずき野7-16-2  砂場なし
もものき公園   みずき野7-7-15  砂場なし
あんず公園    みずき野8-12   0.53
立沢公園     久保ケ丘1-21   0.32
すずめ公園    久保ケ丘4-5   砂場なし
つつじ公園    御所ケ丘2-6   0.53
こじゅけい公園  御所ケ丘3-7   0.37
ひばり公園    御所ケ丘4-13   0.58
せせらぎの小路  久保ケ丘4-33-5外 砂場なし
守谷城址公園   守谷城址公園  砂場なし
そよかぜ公園   松ケ丘1-19   0.43
20号緑地(松風公園) 松ケ丘2-2  砂場なし
19号緑地     松ケ丘3-15  砂場なし
松ケ丘公園    松ケ丘4-4  0.53
ゆうやけ公園   松ケ丘5-11  0.49
ひだまり公園   松ケ丘7-11  0.41
大山公園     松前台1-19  砂場なし
やまばと公園   松前台3-11  砂場なし
かぶとむし公園  松前台4-12  0.4
16号緑地     松前台4-19  砂場なし
まつのき公園   松前台6-2  0.36
北園森林公園   松並地内  0.5
中之台児童公園  板戸井2832-2  砂場なし
乙子前坪公園   美園1-12  砂場なし
乙子清水公園   美園1-5  0.32
乙子公園     美園2-1-4  0.57
梅作公園     美園3-13  砂場なし
明神公園     美園5-4  0.31
土塔森林公園   百合ケ丘2丁目  砂場なし
さつき台公園   百合ケ丘3-2661-3 砂場なし
高砂公園     百合丘3-2809  砂場なし
さくら公園    本町297-5  砂場なし
ひまわり公園   本町32-85  0.47
新愛宕公園    本町4301-29  砂場なし
つばき公園    本町684-12  砂場なし
さつき公園    本町686-38  0.46
くわがた公園   薬師台2-9  0.33
板戸井公園    薬師台3丁目   0.46
北守谷近隣2号公園 薬師台4丁目  0.46
5号緑地     薬師台5-1-1  砂場なし
6号緑地     薬師台5-12-1  砂場なし
7号緑地     薬師台5-14-1  0.4
やまゆり公園   薬師台6-15-1  砂場なし
8号緑地     薬師台7-21-1  0.25
たけのこ公園   緑1-10  0.54
すぎのこ公園   緑1-21  0.56
ログハウス公園  緑2-2外  0.5
四季の里公園   緑2-37  0.41

明日は中野区を原付でまわる。
今週末には、ウェブサイトができる予定。
来週は埼玉県羽生市に遠征したい。

2011年6月21日火曜日

カンパのお願い

 これまでわずかな原稿料などでやりくりしてきたが、そろそろお金が尽きてきた。
 計測活動自体は金がかからないのだが、現地に行くまでの交通費が意外にかかってしまう。
いまは茨城県守谷市に通っているが、秋葉原から片道900円。これは積み重なってくると重い。

というわけで、カンパを募ります。

三菱東京UFJ銀行 高円寺支店 普通 0795099 ワタナベヨウイチ

これは「東京砂場プロジェクト」とは別会計の、「矢部計測チーム」のカンパです。
よろしくお願いします。

2011年6月17日金曜日

疎開したほうがいい

 いま茨城県守谷市の砂場を優先的に計測しているが、問題はバックグラウンド値がとれないことだ。
 私の場合、公園の中心のひらけた場所でバックグラウンド値を計測しようとしているのだが、これがどうやっても高い数値しか出ない。計測器が壊れてるんじゃないかと思って、二台の計測器(RADEX)で測ってみたりもするのだが、どうしても0.3μsv/h とか出てしまう。もう、やってらんねーよレベルの数値だ。

 そういうことなので、茨城県守谷市の母子は、西日本に疎開してください。
 とりあえず5年ぐらい。
 5年たてば放射性セシウムが低減するということはないのだが、自治体や教育委員会が放射線防護対策をとるようになるには、おそらく5年ぐらいかかるだろう。5年も待てばなんらかの措置をとるようになるだろう。それまでの期間、黙って被曝しながら愚図につきあってやる必要はない。あるていど安全だと思える防護体制ができるまで、田舎に疎開して様子を見た方がいい。

守谷市みずき野〜緑

昨日は守谷市の砂場計測(二日目)。

郷州文化財公園  みずき野7-16-1  砂場なし
どんぐり公園   みずき野7-16-2  砂場なし
もものき公園   みずき野7-7-15  砂場なし
あんず公園    みずき野8-12   0.53
立沢公園     久保ケ丘1-21   0.32
すずめ公園    久保ケ丘4-5    砂場なし
つつじ公園    御所ケ丘2-6    0.53
こじゅけい公園  御所ケ丘3-7    0.37
ひばり公園    御所ケ丘4-13   0.58
せせらぎの小路  久保ケ丘4-33-5外 砂場なし
そよかぜ公園   松ケ丘1-19    0.43
20号緑地    松ケ丘2-2     砂場なし
19号緑地    松ケ丘3-15    砂場なし
松ケ丘公園    松ケ丘4-4     0.53
ゆうやけ公園   松ケ丘5-11    0.49
ひだまり公園   松ケ丘7-11    0.41
たけのこ公園   緑1-10      0.54
すぎのこ公園   緑1-21      0.56
ログハウス公園  緑2-2外      0.50
四季の里公園   緑2-37      0.41

ようやく半分おわった。あと二日かければ守谷市の計測は完了する。

追記
 守谷からつくばエクスプレスで帰ってきたのだが、車内の様子は少し異様だった。20人ほどしかいない乗客のうち、15人が眠っている。それも、ただ目を閉じているという眠り方ではなく、口を開けて眠っている。疲れているのだ。
 放射線の被害はガンだけではない。万人に薄く広く与える影響は、疲労だ。こどもは特に疲れるだろう。今後、東北・関東では、こどもの学力・体力が著しく落ちていくはずだ。
「ゆとり世代」の次は、疲れやすく体力のない「ぶらぶら世代」があらわれる。

2011年6月15日水曜日

茨城県守谷市、けやき台〜みずき野

今日はつくばみらい市の友人に車を借りて、砂場計測にまわった。京都から遠征してきてくれた渋谷さんと私と、二人組での作業。まずは渋谷さんに運転してもらい、守谷市の公園からまわった。

 かげろう公園  けやき台2−16  0.37μsv / h
 17号緑地   けやき台2−32  0.43μsv / h
 うららか公園  けやき台3−17  0.59μsv / h
 けやき台公園  けやき台4−4   0.37μsv / h
 にじの公園   けやき台5−20  0.51μsv / h
 くりのき公園  みずき野1−5−1 0.57μsv / h
 くわのみ公園  みずき野3−12−23 砂場なし
 さくらの杜公園 みずき野4−14  砂場なし
 みずき野中央公園 みずき野5−1  砂場なし
 ざくろ公園   みずき野5−17−13 砂場なし
 かきのき公園  みずき野5−7−7 砂場なし
 さくらんぼ公園 みずき野6−14−13 0.48μsv / h

ここまで計測するのに3時間。知らない土地の道って、けっこう複雑で迷う。
もともと方向音痴ってのもある。かっこ良く言えばデリーブ(漂流)な体験。

 けやき台のラーメン屋で昼食をとって、午後の作業を開始すると、「福島第一の4号機が白煙を上げている」という情報が。
もう、やんなっちゃうね。
計測活動で被曝したんでは馬鹿馬鹿しいので、午後二時に撤収。
福島第一の様子を見て、明日に備える。

2011年6月14日火曜日

「国民」全員が苦しむわけではない

 昨日は高田馬場で砂場ミーティング、今日は八王子で計測器のワークショップをやった。
JR八王子駅北側の公園に行き、参加者に計測器を使ってもらった。
滑り台の周りの砂場は水はけが悪く、大きな水たまりになっていて、ここでは0.2μsv/hだった。
 23区に比較すれば低い印象だが、もっと低いと予想していた八王子の参加者にとっては、深刻な数字だった。

 ワークショップのあと喫茶店で話していて驚いたのは、八王子在住の人でも、ずっとのどが痛いとか、鼻血が頻繁に出ている、という人がいる。そのなかの一人は、実家のある田舎に移住をしようかと考えているというので、早く移住した方がいいと勧めた。
 
 被曝問題が憂鬱な気分になるのは、個体差が大きいことだ。
これが食中毒やインフルエンザであれば、(比較的)無差別に襲ってくる。
しかし、低線量被曝は無差別ではなく、被害に遭う者だけが苦しむのだ。
 これは戦争に似ている。
 戦争もまた被害に遭う者だけが苦しみ、生き残った者はそのことに目もくれず忘れてしまう。忘れたふりをする。嘘をつくという意識もなく嘘をつき、隠そうという意識もなく隠蔽するのだ。

 「国民」というものほど酷薄なものはない。こんなものと心中するわけにはいかない。

2011年6月8日水曜日

原水禁国民会議、しょせんは国民なのか

原水禁大会、福島で7月開幕

 原水禁国民会議などは7日、今夏の原水爆禁止世界大会の開幕集会を7月31日に福島市で開く方針を決めた。福島第1原発の事故を受け、「フクシマ」を原点に広島、長崎、沖縄まで続く一連の大会で「脱原発」の訴えを掘り下げ、広げる。

 世界大会は例年、広島、長崎両大会と国際会議を開催。今年は原発に依存してきた社会を問い直す転換期と位置付け、「核と人類は共存できない」との根本に立ち返って議論を深めようと、大会内容の大幅な変更を検討してきた。この日までに福島の地元組織からも内諾を得たという。

 福島大会には福島第1原発事故の被災者やチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)の被災者、被爆者らを招き、「脱原発」を提起。8月4~6日の広島大会、7~9日の長崎大会では原発の周辺住民への影響や原発作業員の被曝(ひばく)などを取り上げる。広島市で5日にある国際会議も原発を議論の柱とする。

 世界大会の日程は17日に開く実行委員会で正式決定する。

(6月8日 中国新聞)

 原水禁はどういうつもりなのか。
「核と人類は共存できない」と訴える団体が、なぜ福島大会なのか。この大会に誰をどれだけ動員するのか。若い学生たちにも福島大会参加を呼びかけるつもりなのか。
 福島のはかりしれない被害を訴え、迅速な汚染調査・避難措置・防護措置を政府に要求し、民間レベルでも避難を援助すべきときに、まるで政府・福島県の安全宣言に加担するような動きである。
 主張と行動がちぐはぐだ。何を考えているのか。


追記
 私の若い友人と女性の友人には、絶対に福島には行かせない。こんな集会は百害あって一利なしだ。
 「じゃあ福島の人はどうしたらいいのか、福島市民を見捨てるのか」と言う声が聞こえる。
その言葉はそのまんま返そう。おまえらが物見遊山の冷やかしの自己満足集会をやって、福島の政治状況が少しでも良くなるのか。その大会は、政府・自治体を1ミリでも動かすことができるのか。福島がかならず復興できるのだと、責任を持って言えるのか。
 いまできるのは、福島県民の避難を促すことしかない。福島第一原発の蒸気が収束するまで、畑をブルーシートで覆って避難するしかない。そのための実態調査、世論づくり、行政交渉、資金調達が必要なのだ。だいたい国民運動づらしてる自治労やら日教組は、なぜ福島のために時限ストひとつうたないのか。ストをうてないなら、せめて金を出せ。

CRIIRADの記者会見

6月2日に講義をしていただいた CRIIRADのブルーノ氏、測定器47台プロジェクトの岩田氏が、前日に日本記者クラブセンターでおこなった記者会見の様子です。

2011年6月4日土曜日

とりとめのない世界

 6月2日のワークショップ「誰でもできる! 素人による素人のための放射線計測講座」は、立ち見が出るほど多くの人が集まった。
講座の内容は時間切れで終わってしまったが、学校のプール清掃問題や地方議員ネットワークなど既に行動を始めている人たちに出会えて、とても勇気づけられる集会だった。

 この一ヶ月間、土壌の放射線計測の問題を考えて、ようやくわかったことがある。それは、散逸してしまった放射性物質については、通常のサンプル調査という方法が無効であるということだ。
 土壌表面の放射線量を調べると、ほんの50センチ移動しただけで数値が違ってしまう。これは高性能の計測器でそうなるというだけではなくて、我々が使う簡易型の計測器でも2倍3倍の変化が出てしまう。放射性物質が堆積した「ホットスポット」というのは、実際には直径30センチにも満たない小さなスポットで、これが無数に偏在しているのである。
 ホットスポットの形成には多くの要素がかかわっている。大気の流れ、雨の流れ、土地表面の材質、土地の勾配、排水設備、屋根と植え込みの配置、道路の交通量。建築物があれば、その建物の高さ、構造、壁の表面積、壁の材質も関わってくるだろう。
 放射性物質が降り注ぎ、流れにあらわれた土壌表面は、細かく激しく波打っている。ここでは環境のありようを線形のイメージで捉えることができなくなっている。断片的で動的でもある土壌表面は、それを再現する(表現する)ために、何をどれだけ計測したらよいのかわからない、また、どこまで計測すれば計測を完了したと言えるのかわからない、とりとめのない世界なのだ。

 我々がふだん慣れ親しんでいる線形のイメージというのは、複雑でとりとめのない世界を把握するためのひとつのわりきりかただ。しかし、内部被曝の想定される汚染地帯では、この「わりきり」は生死にかかわる。
 アスファルトを歩きコンクリートのオフィスにおさまる人間は比較的安全だ。田畑を耕す農民、土を掘りかえす土工、ビルの清掃員、植木屋、屋台、ヤクルトおばさん、砂場で遊ぶこども、草むらを這う猫たちは、それぞれにまったく違った強度に触れ、放射線被曝にさらされる。ここでは、「世界は一様ではない」というあたりまえの事実が、深く認識されなければならないのだ。
 
 線形の環境が想定できないとき、つまり何をどれだけ測ったらよいのかわからなくなってしまったときに、では、なにが計測の基準となるのか。計測行為の方法的根拠はどこに見出されるか。
 私の解答は、人文主義(ヒューマニズム)だ。
 すでに多くの人が口々に訴え、実際に働きかけているのは、「こどもの内部被曝を防ぐ」ということだ。これは「野良猫の内部被曝を防ぐ」でもよい。言わんとしているのは同じことだ。
 これらの人文主義が、計測のための視点を与え、計測の主体と対象を定める(主体と対象が生成する)。そして明確な対象を定めたうえで、サンプル調査ではなく全数調査を実行する。東京砂場プロジェクトでは、関東のすべての児童公園の砂場を調査する。

 こどものために大騒ぎする我々は、「ヒステリー」と揶揄されるかもしれない。しかし我々の「ヒステリー」をあざ笑う人間は、このカオス化した空間を、どのように把握し再現できるというのか。何を計測すべきかという明確な視点を提示しているのか。不充分なサンプル調査でお茶を濁したつもりになっている奴らは、旧い「科学」の方法にしがみついて世界を捉え逃す劣った反動分子にすぎない。