2013年3月23日土曜日

3年目の心中事件


小学生男児が死亡 殺人で母親逮捕

22日夜、福島県二本松市のアパートの部屋で小学6年生の男の子が死亡しているのが見つかり、警察は、33歳の母親を殺人の疑いで逮捕しました。逮捕されたのは、福島県二本松市油井の無職、渡邉みゆき容疑者(33)です。警察によりますと、渡邉容疑者は22日午前6時ごろ、自宅アパートの部屋で長男で小学6年生の青空君(12)を殺害した疑いが持たれています。警察は、22日午後8時すぎ、渡邉容疑者が「子どもを殺した」と自首してきたことから自宅を確認したところ、寝室の布団の上で死亡しているのを見つけたということです。首にはロープのようなもので絞められたような跡があったということです。警察によりますと、渡邉容疑者は青空君と2人暮らしで、22日は小学校の卒業式だったということです。調べに対して、「息子を殺して自分も死のうと思っていた。息子を残して死ねなかった」と供述しているということで、警察は詳しいいきさつを調べています。(NHK 3月23日)


 かつてウーマンリブが盛んだった頃、ある女性活動家は「(連合赤軍事件の)永田洋子は私だ」と言ったそうだ。これは当時おおいにウケたようだ。最近では、ある少年事件について「酒鬼薔薇は自分だったかもしれない」と言うのが流行した。これも当時たくさんの駄文を生んだ。
 「○○は私だ」式の言い方は、私は嫌いだ。学級会みたいだから。私はこういうことは口が裂けても言わないとあらかじめことわっておいたうえで、いまあえて問いをたててみる。
 この心中事件に触れて、「渡辺容疑者は私だ」と言う者があらわれるだろうか。子供と無理心中をはかったひとりの女性について、シンパシーを表明する者があらわれるだろうか。
 それは、ない。
 彼女を公然と擁護する者はひとりもあらわれないだろう。
 では、渡辺容疑者にシンパシーを感じている者は一人もいないのだろうか。
 それも違う。多くの人間が、一言も発することなく、彼女に注目している。この沈黙と瞠目が、2013年現在の潜勢力だ。